俺はもう本気だしてるんだけどなぁ。

~かーりー@時には読書三昧~

一冊の本をより深く|本の読み方~スローリーディングの実践~


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速読に関する本が多数ある中、”スローリーディング”の文字が目に留まりました。

今回は平野啓一郎氏の「本の読み方~スローリーディングの実践~」です。

本の読み方というものを改めて考えさせられる一冊です。

 

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書くスピードで読む

 

いざ、ある程度の文を書いてみると分かると思いますが、そこには膨大な時間と労力がかかります。

僕自身書くにあたってスローリーディングしてもらう前提で、という意識はありませんが、うまくニュアンスが伝わってくれと細かなところまで思考を巡らせて書いています。そここだわってみても本文の主旨とは関係ないけどと思いながらも、あるいは、誰も気にもとめないかもと思いながらも、、、。

 

書き手というのはおそらくほとんどの人がそういうもので、変に気になったり、こだわったりするものです。

そういったわけで”スローリーディングしてもらう前提で”というのは、書き手が意識しているしていないにかかわらず、的を得た指摘だと思います。

書き手のニュアンスや伝えたい事を感じとりたいのならスローリーディングということです。

 

 量よりも質

 

特に近代化する以前は本というのは大変貴重、高価なもので簡単には手に入らないものでした。精読、熟読が最良というよりは、単に多読できなかったのです。一冊の本をボロボロになるまで読み込むしかなかったわけですが、これが逆によかった。

 

 暗記するくらい、血肉にするくらい読み込んだことで、時代時代で知性あふれる優秀な人材がでてきたのです。

 

 適度な読書量

 

 僕達は何かの博士や専門家ではありません。得た知識は実生活に役に立つものでなくてはなりません。いわゆる実学というやつです。そのためには良い本の内容を記憶に定着させ、いつでも取り出せるようにしなくてはいけないと思います。

 

そう考えると僕の場合、1か月に1冊くらいがちょうどいい量のような気がします。

かつては読んだ本の冊数がやたらと気になっていましたが、、、。

 

速読法とスローリーディング

 

速読法に関してこの本では”信頼性の低い読書法”という指摘があります。

 

僕もかつて速読法の本を一冊買い、実践したことがありますが、長続きしませんでした。訓練次第では身につくのかもしれませんが、こんな訓練に時間をとられるくらいなら従来の読み方で一行でも多く読んだ方がいいと思ったからです。

 

速読の技術を習得して本が早く読めるようになったとしても、得られる情報は、その本を読んだら誰でも獲得できる表面的で浅いものでしょう。

 

結局のところ、何冊読んだかが重要ではなく、より深い教養を身につけられるかどうかです。

するとおのずと、本があまり流通しておらず、スローリーディングで本をよんでいたであろう昔の知性あふれる偉人たちに、思いをはせるわけです。

 

ポイントはリズム

 

頭のいい人は耳がいいと思っています。

そしてリズムというのは大事で内容が頭に入ってくるかどうかはリズムのよしあしにかかっているのではないかとも思っています。

 

文を書く上で助詞、助動詞は当然、句読点までやはり気になりますし、声に出して何度も読み返しています。

 

オリジナルな本の読み方

 

 読み手が文を読み、解釈した時にその文は完成します。

ということは、解釈は一人一人違いますので完成した、された文というのは読み手の数だけ存在します。

そしてもっと言うなら読み手に解釈された時点で、書き手のそれとは違うもののはずなので、(いい、悪いは置いといて)読み手の数だけ誤読が存在するということです。

 

書き手の伝えたい事、ニュアンスを100%理解することだけが読書ではありません。

(速読ではおそらく無理であろう)豊かな誤読によりオリジナルな読み方というものを獲得できます。

 

より深いスローリーディングを

 

著者は作者の意図を踏まえた上で豊かな誤読を、と言っています。

これは大変重要で、作者の意図を踏まえなければ、本当の誤読になってしまいます。そうならないためにも、より深いスローリーディングが必要ということです。

 

声に出す

 

著者は黙読の方がよいと言っていますが、個人的には賛同しません。

音読することでリズムがよいか悪いかはっきりすると考えているからです。なので微妙かな、どうだろう、という文は声に出して確かめています。

 

長いお付き合い

 

20代の初めの頃、三島由紀夫の「金閣寺」を読みましたが途中でやめてしまいました。

それを最近もう一度チャレンジしてみましたが、一気に読めました。頭にすんなり入ってきましたし、おもしろいと感じました。

つまりはこういうことです。

 

読み方の使い分け

 

動かぬ事実や数値などはネットで検索すればよいと思います。ただそれだけでは薄っぺらい人間になってしまいかねません。

教養ある深い人間になるためにはやはり読書は必要不可欠で、そのための読み方として僕もスローリーディングを推奨したいと思います。

 

まとめ

情報を取り出したいだけなら簡単な時代だからこそ速読法ではなくその対極にあるスローリーディングの技術が求められるのではないかと思います。

 

ちなみに本を早く読みたいのなら、本の内容をしっかりと理解した上でたくさん読む事です。予備知識があればあるほどその本を早く読み終わるからです。

 

この本の後半部分では実践編として古今の小説を中心にスローリーディングの様々なテクニックを紹介しています。個人的に好きな作品もあり、大変おもしろく、興味深い内容でした。